事例紹介
日本では見積書、タイでは請求書
2018-10-01
日本では見積書で良くても、タイでは請求書でないといけない
普段当たり前のように使う、見積書や請求書。
日本では見積書で良かったものが、タイでは請求書でないといけないことがあるのをご存知ですか?
一見当たり前すぎて見落としてしまうところにこそ、文化の違いは隠れています。
ある商社様のケースでご説明します。
お客様は商品を販売して、その商品が納入先に届いたタイミングで売上として計上したいと考えていました。
本来であれば請求書という名前になるべきではありますが、決済・取引上の都合を優先して書類名が見積書となっていました。
日本の感覚では「実態を反映して見積書で売り上げ計上しよう」となるのですが、実はタイでは許されません。
書類名が請求書じゃないとダメ!といったことがあるのです。タイでは取引実態でなく、請求書という形式の方が重要とされます。そのため計上が間違っていると指摘されたり、そんな処理出来ないと断られてしまいます。
タイは税務中心の思考、日本は会計中心の思考
これはタイが税務中心の考え方で出来ていることによります。タイは書類名、書類要件が厳しく、税務で求められる請求書を発行したタイミングでないと売上計上してはいけないと!決められているからです。
その背景から順をおって説明すれば理解できるのですが、うまく伝えないと当初のズレが解消出来ないまま、
「無理なものは無理!」
と安易に結論づけられてしまうことも多いです。
日本(特に上場会社)は会計中心の思考であるため、よく生じるギャップです。
今回はその典型的なケースでした。
現場と本社、共に徹底的にヒアリングしないと見えてこない課題
文化の差異に基づく違いは、しっかりとヒアリングを行い、ビジネスの全体像が見えてこないと明らかになりません。
なぜなら現場でも本社でもその背景にある差異は把握する事が出来ないからです。
最初から課題が明確に見えているということはまずありません。
なぜそのようなズレが起きているのか。本当はどうしたいのか。どうあるべきなのか。
弊社はまず、それを明確に定義します。
そして、その上で現状の実態と理想のフローに差異がないかを確認をします。
差異がある場合、理由を確認した上で見直しを行います。
逆に言えば、問題点が明らかになれば、関係者が完全に理解を揃え会計フローが実態に沿うようにすることは可能なのです。
クライアント様のその後
今回お手伝いさせていただいた商社様はその結果、事業の実態を反映した数字を把握できるようになりました。その結果意思決定の質とスピードが上がり、現在でも成長を続けてらっしゃいます。
ポイントは会計、税務の知識、互いの国のルール、商慣習の違いを理解した上での明確な見える化です。弊社はこれを得意としています。どうぞお気軽にご相談ください。
アクセスMAP
- 所在地
- 48/7 Soi Napha Sap 4, Khlong Tan sub-district,
Khlong Toei district, Bangkok 10110
- タクシーでお越しの方
- BTSトンロー駅下車 2番出口 (エレベーターで降りるのが一番近いです)
バイクタクシーは15バーツ、行き先は「ソイ ナパサップ5」
徒歩は15分くらいかかります。